宮園クランがなんやかんやで小説家になるまでのブログ

凡そ社会的地位の無い30代男性が小説家を目指す為のブログ

駄文

未読が既読に変わる刻-1-

青天の霹靂という言葉がある。 故事・諺の一つであるこの文言、予想もしなかったような事件や変動が突然起きる事を指し示す意であることを、後に僕は知った。 とにかく本を読むのが苦手で、交友関係が広くない点からコミュニケーション能力に乏しい所謂(い…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -#-

・前回・www.miyazono-9ran.work 【とある対話】 「全くもってお笑い種だね。断片的な事象から紡ぎ合わせたにしては牽強付会も甚だしい、猥雑に特化したゴシップも良いところだよ。嫌だねぇ~本当に嫌になっちゃうねぇ~。文明開化からたかだか一世紀とちょ…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -終-

・前回・www.miyazono-9ran.work 【依然として捜査は難航 不可解な猟奇事件の全容に迫る】 20XX年10月未明、T県早良山奥内の一軒家にて、複数の遺体が遺棄されていた事が明らかとなった。 第一発見者であるP氏の証言によると、趣味である山登りに興…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -朽-

・前回・www.miyazono-9ran.work 回想、終わり。 閉じられた目を開いて儂は再び立ち上がり、眼窩の裏側をかりかりと掻きながら、薄暗い土間を徘徊する。 肉片で溢れかえった惨劇の場を、よたよたと歩き回る。 あれから何時間が経過したのだろうか。日の光が…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -8-

・前回・www.miyazono-9ran.work 家に着くやいなや、儂は可及的速やかに夕げの支度を開始した。 囲炉裏に火をくべ、山菜を中心とした野菜類を刻み、出汁となる乾燥鰹を削り、主役である肉を適度な大きさへと切ってゆく。 食材を鍋へと放り込み、ことことと煮…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -7-

・前回・www.miyazono-9ran.work 神無月の半ば、みぞれ雪がちらほらと降る中、儂はどこか居心地の悪い気分を拭いきれないまま、粛々と山道をゆく。 (どうにも釈然としない……うまく行きすぎではないだろうか) 酒屋強盗殺人事件の容疑者として紛糾される窮地…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -6-

・前回・www.miyazono-9ran.work 冷汗が、つぅっと頬を流れた。 「ねぇ。実際のところどうなのかな? 強盗殺人犯と人攫いって、業の深さ的にはどちらが酷いと思う?」 叶芽は表情こそ柔和だったが、翠と蒼の双眸は一切笑っておらず、底知れぬ冷たさを放って…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -5-

・前回・www.miyazono-9ran.work 二日連続で売り物である笠が売れずに、とぼとぼと途方に暮れながら、儂は家へと帰宅した。 落胆する儂とは対称的に件(くだん)の発端を担っている土岐子といえば、布団を首の下までかぶって、心底穏やかそうな表情で眠って…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -4-

・前回・www.miyazono-9ran.work そんなこんなで、二日目である。 笠が売れる確率を少しでも上げるべく、儂は明け方より更に早い時間帯には身支度を済ませ、城下町に到着したのが午前七時過ぎ。 昨日は町の西側に拠点を構えたが、本日はそこよりも人通りの多…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -3-

・前回www.miyazono-9ran.work 結局その日は。 儂の手製の笠は結果として、たったの一つも売れなかった。 手ぶらで帰る訳にもいかず、途中寄り道をしながらも家路を急ぎ、家に到着したのは日付がぎりぎり変わるか変わらないかの瀬戸際であった。 草履を脱い…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -2-

・前回・ www.miyazono-9ran.work どんよりとした曇り空。 雨だか雪だかが降るか降らないかが絶妙に微妙な、そんな御しがたい天候の下、荒れ果てた山路を征く事三時間余り。 やや息を切らしながらようやく、儂は目的地である城下町へと到着した。 時刻は昼を…

【不定期連載】新説・笠地蔵 -1-

貧しけれども正直であれ。 善行を積み続ければゆくゆくは極楽浄土へのお導きが訪れるであろう。 ……なんて。そんな当たり前の思想――というか、道徳心を持って五十余年生きては来たが。 どうやらそれは間違いであったようだ。 血に濡れた鉞(まさかり)の柄を…

メロンソーダの味は苦い【後編】

前置きというか、前回までのあらすじ。 身の丈に合わない、身の程を弁えない、そんな退廃的な行為に臨もうと、僕は10円ゲームを商いとする店へと足を踏み入れたのだった。 www.miyazono-9ran.work そもそも10円ゲームは何かと言うと(これは当時の僕には這入…

メロンソーダの味は苦い【前編】

二十年近く昔のことになって恐縮なのだが、誰も彼もがそうであったように、僕もその頃はもれなく子供だった。 精神的にと問われたならば、胸を張って首肯できないにせよ、肉体的には小学5年生のそれだったと思う。 11月の初旬だったと記憶している過去の午後…

秋の可能性を探ってみる。

♪リリカル☆トカレフ☆キルゼムオール♪、宮園クランです。 秋の日差しはショパンのしらべ(風流)それではご覧ください。 ○○の秋 01.郷愁の秋 02.莫逆の秋 03.熱狂の秋 04.神速の秋 05.閃光の秋 06.反逆の秋 07.追撃の秋 08.冥王の秋 09.駄犬の秋 10.名犬の秋 …

底辺が蓄える500円玉貯金について。

大体毎日が地獄のダンスホールな、宮園クランです。 お金欲しい。それではご覧ください。 本題に入る前のひとり言。 0.500円玉貯金をしております。 1.【入金】 2.【確認】 3.【放置】 4.【挨拶】 5.【観察】 6.【干渉】 7.【交渉】 8.【…

ラブ♡マイ♡ブライド【余】

◇主要登場人物◇ 0.0000000000000000001 G - 5 9 . 5 9 それから ◇主要登場人物◇ ♣脳針筵 (ノウバリムシロ) :緑の守護者 ♠伽藍端〆 (ガランハジメ) :蔑ろの暴君 ★白石天 (シライシタカシ) :花婿 ♥伽藍真衣 (ガランマイ) :花嫁 0.0000000000000000001 人生…

ラブ♡マイ♡ブライド【心】

◇主要登場人物◇ 0 1 2 3 4 5 ◇主要登場人物◇ ☆白石天 (シライシタカシ) :死に損ない △水汽氷汰 (ミズキヒョウタ) :炎獄の遊人 △箒谷塗炭 (ホウキダニトタン) :駁流の狩人 △刑部牢庫 (オサカベロウコ) :鎧鍛冶屋 △数々人々 (スウスウニンニン) :百…

ラブ♡マイ♡ブライド【鏖】

◇主要登場人物◇ 0 1 2 3 4 5 ◇主要登場人物◇ ♤脳針筵 (ノウバリムシロ) : 卵虫遣い △刑部牢庫 (オサカベロウコ) : 鎧鍛冶屋 △数々人々 (スウスウニンニン) : 百器使い ♧伽藍端〆 (ガランハジメ) : 傍観者 ♡伽藍真衣 (ガランマイ) : 最厄の魔女 0…

ラブ♡マイ♡ブライド【死】

◇主要登場人物◇ 0 1 2 3 4 5 ◇主要登場人物◇ ☆白石天 (シライシタカシ) :主人公 ▲断罪院鉦告(ダンザイインカネツグ):裁人 △道理喪蔵 (ドウリモグラ) :従者 ♡伽藍真衣 (ガランマイ) :罪人 0 テクマクマヤコン。テクマクマヤコン。 彼女以外の全…

ラブ♡マイ♡ブライド【毬】

◇主要登場人物◇ 0 1 2 3 4 ◇主要登場人物◇ ☆白石天 (シライシタカシ) : 主人公 ♤脳針筵 (ノウバリムシロ) : 流浪人 ♢綺羅星ねね(キラボシネネ) : 幼子 △箒谷塗炭 (ホウキダニトタン) : 番人 ♡伽藍真衣 (ガランマイ) : 罪人 0 残念ながら 最終回…

ラブ♡マイ♡ブライド【幕】

◇主要登場人物◇ 0 1 2 3 4 ◇主要登場人物◇ ☆白石天 (シライシタカシ) : 主人公 ∵緋崎藍色 (ヒサキアイイロ) : 予測主 △水汽氷汰 (ミズキヒョウタ) : 番人 ♡伽藍真衣 (ガランマイ) : 罪人 0 予感がする 呼んでいるような気がする 1 3月の半ば。春…

KEEP★MY★SISTER【決】Side-B

視界の全てが溢れんばかりの白で埋め尽くされた、眩さすら感じてしまいそうな空間に、僕はいた。 少し離れた所には四角く切り取った窓のようなものが見える。外の景色は雪が吹雪いている。 そして、目の前には木で編まれた揺り籠があり、生まれて間もない赤…

Kill☆mai☆sisteR【血】Side-A

▼やはり妹は殺すべきだ。 僕は選択した。もう引き返せないが、迷わない。腹を括り、妹と向き合う方向性を定めた。 ーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yーyーy-y-y-y-yー 午後11時、夜更け。 旧間曳野ワンダーラ…

きる☆まい☆しすたぁ【10】

妹からのメッセージ内容が異なるものとなった後、一方的に人攫いをして人数を減らす訳にはいかない状況に変化する。 なぜならば、今までと打って変わって、向こう側からもこちらに対し襲撃を試みるようになったからだ。 幸いタカシと二人で居る時が大半であ…

きる☆まい☆しすたぁ【省】

間曳野市淘汰町。 元号がもうすぐ変わる間際だというのに、この街の治安は最悪だった。 失業率や犯罪係数は国内最下を毎年更新し続け、暴徒で溢れかえる町並みは行政は愚かあらゆる機能が正常に働いていない有様。 そんな掃溜めじみた町並みで、僕は平凡に暮…

きる☆まい☆しすたぁ【奇】

「時に君、鼠は好きかい?」 橙色の電球が力無さげに点滅を繰り返すだけの薄暗い地下室で、なんの前触れもなく唐突に、義眼の男は語りかける。描写を正確に言い直すのならば、それは会話にすらなっていない対話であった。眼前に伏する男の口元には、猿ぐつわ…

第114514回港北区最強紙飛行機決定戦備忘録

西暦1998年5月20日水曜日、ついに雌雄を決する頂上決戦が幕を開けようとしていた・・・・・・・・・。 AM:6:24、宮園クラン少年、起床。 「~~~~~~ッしゃらあああぁぁああ!!!喧嘩祭りじゃゴrrrrrrrらぁあああああああ!!!」 外国製のコーンフレークを牛乳で…