宮園クランがなんやかんやで小説家になるまでのブログ

凡そ社会的地位の無い30代男性が小説家を目指す為のブログ

実録!宗教☆勧誘(その9)

※これは事実を元にしたフィクションです。登場する個人名・団体名などはすべて架空のものなのでご留意ください。


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以下、思い出せる範囲でのやりとり。



「こんにちわ」


「どうも」


「あららっ。良かったです!」


「何がですか?」


「やだなーこれでも心配してたんですよ」


「その節は、まぁ」


「〇〇さんったら急にいなくなっちゃうんだもの」


「すいませんでした」


「本心から謝っている風に見えないんですけど」


「奇遇ですね。私もあなたが本心から心配している様には見えません」


「意外と強情なんですねぇ」


「それはお互い様でしょう」


「どの辺りが?」


「懲りもせずまた勧誘に来る辺りが」


「ひょっとして私、喧嘩売られてますか?」


「さぁ。どうでしょうか」


「やれやれ。これじゃあ埒が明きませんねぇ」


「拉致紛いの事をした癖にどの口が言うんですか」


「アレを受け取ってくれないってことは、つまりはそういうことなのでしょう?」


「怪しすぎるんですよあんなの。ところで、そういうこととはどういうことですか?」


「今からホテル行きましょうよ」


「はぁ?」


「家には上げたくないんでしょう? それかさっさと済ませたいってんなら、公園のトイレとかでも構いませんけど」


「おっしゃっている意味がよく分かりません」


「えっ!? えぇぇえぇもしかして〇〇さんって既に不能なカンジ??」


「ぶん殴るぞ」


「駄目ですよ。このご時世、女性にそんなことを言っちゃあ」


「話が通じないキ××イに性別なんて関係ないでしょうが」


「おぉこわいこわい。いよいよ化けの皮が剥がれてきましたねぇ」


「だからお互い様ですって」


「ところで」


「何ですか?」


「一つ提案があるんですけど」


「一応聞いときましょう」


「私は〇〇さんを教団-トライブ-へ入れたい」


「はぁ」


「〇〇さんにはそのつもりはない」


「えぇ」


「前提、これって合ってますか」


「合ってます」


「ならばこのまま双方が並行線を歩き続けるのも不毛ですし。ここはひとつゲームで決着を付けませんか?」


「ゲーム?」


「そう、ゲーム。条件は〇〇さんが決めていただいてもいいですよ」


「ほぅ」


「身体能力次第で優劣のつくものや暴力行為を除いて、全てあなたにお任せします」


「随分気前が良いんですね」


「まぁぶっちゃけちゃいますと、先週も今日も〇〇さんをハメる気満々で色々準備してきましたから。フェアじゃないでしょう」


「正直な物言いには好感が持てます。で、いつやりますか?」


「一週間後、来週の木曜日の19時にまた来ます。それまで精々色々考えておいてください」


「あ~。……なんとなく気が乗らないので再来週にしません?」


「それは無理」


「どうしてですか?」


「無理っつったら無理」


「だからどうして。何か急ぐ理由でも――」


「あんま調子乗ってると直接的な行為に走ってもいいんですよ」


「…………」


「伝わったみたいで良かったです!」



春の訪れが間近に迫った月末最終日。


はたして私は、ナガノと決着をつけなければならなくなった。